私の専門は代数幾何学です。これまで商特異点やその特異点解消について研究してきました。特異点に興味を持ち、代数幾何学を学んでいたときに、超弦理論から出てきた特異点の問題に出会いました。特異点の幾何学と代数学を結び付ける2次元のマッカイ対応を 3次元に拡張できることを示唆するもので、とても魅力的でした。その後、私は様々な方法でクレパントな特異点解消を構成し、3次元のマッカイ対応について研究してきました。近年、導来圏を用いたマッカイ対応の高次元化も盛んですが、2つ問題点があります：ひとつは多くの場合、群が可換な場合にのみ成り立つこと、もうひとつはクレパントな特異点解消の存在を仮定していることです。特異点解消の存在を示すのは難しいのですが、何か方法があると信じていますし、非可換な群の研究で新しい数学が生まれる可能性もあります。これからKavli IPMUで、いろいろな数学や物理との縁を身近に感じながら研究を楽しみたいです。