片山 伸彦
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Last Update 2023/11/07
私の現在の主たる研究分野は観測的宇宙論で、特にダークエネルギーの性質や、宇宙誕生初期に起こったインフレーションの実験的検証に興味があります。もうすぐファーストライトを迎えるすばる望遠鏡のHyper Suprime-Camによる広域銀河サーベイにより、ダークエネルギーに関する知見が得られるのではないかと思っています。サーベイでは2億5千万個もの銀河の形状を精密に測定して、重力レンズ効果を通して暗黒物質の分布を捉えます。また宇宙背景輻射の偏光を観測することにより、インフレーション期の原始重力波の痕跡を捉える、LiteBIRDという小型観測衛星のプロジェクトに参加しています。数年前までは、高エネルギー加速器研究機構のベル実験でB中間子に於けるCP対称性の破れの研究を行っていました。いわゆる、小林・益川理論の実験的検証です。宇宙の加速膨張を引き起こしているダークエネルギーも、インフレーションを引き起こしている「粒子」も、素粒子物理学の研究対象だと思っています。素粒子物理学の実験手法を活かしてこれらの研究が行えるのは大変面白いと思っています。
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