Mark Patrick Hartz
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Last Update 2024/02/16
ニュートリノ振動は質量が決まった状態とフレーバーが決まった状態が混合することによって起きますが、その実験的観測によりニュートリノが有限の質量を持つことが確立しました。最近、T2K実験及びその他の実験により、一番小さな3番目の混合角によるニュートリノの混合が確立し、これによってニュートリノ振動でCPの破れを研究する途が開けました。CPが破れていると、ニュートリノとその反粒子の反ニュートリノは異なる振動をします。このCPの破れの実験的観測は、ミューニュートリノのビームを発生させ、その電子ニュートリノへの振動を調べることと、反ミューニュートリノのビームを発生させ、その反電子ニュートリノへの振動を調べることの両方を行うことにより可能となります。
私は、J-PARCの加速器施設でミューニュートリノビームを発生させ、295 km離れたスーパーカミオカンデ検出器に打ち込むT2K実験に参加しています。私たちはCPの破れを検出するための第一段階であるミューニュートリノから電子ニュートリノへの振動の測定と、ニュートリノ振動パラメーターの精密測定を行っています。私が特に興味をもっているのは、反ニュートリノビームを発生させることによりCPの破れを探索することのできるT2K実験の能力と、CPの破れの大きさを、精度を上げて測定するために必要な将来の実験です。
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