安田 直樹
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Last Update 2022/11/21
私はIa型超新星を宇宙論に応用するための観測を行っています。Ia型超新星は、連星系の白色矮星が他方の星からガスを取り込み、質量が太陽質量の1.4倍を超えて爆発を起こすと考えられています。そのため、明るさやスペクトルなどのばらつきが小さく、超新星の明るさは銀河1個に匹敵するくらい明るくなります。絶対的な明るさが一定と考えることで、90億光年先の天体までの距離を測定することが可能です。このようにして決めた距離と、宇宙膨張による観測波長のずれの関係を調べることで、宇宙の膨張史、さらに、暗黒物質、暗黒エネルギーの割合を知ることができます。国立天文台ハワイ観測所のすばる望遠鏡を使ってSupernova Cosmology Project と共同で行った観測からハッブル宇宙望遠鏡よりも効率的に遠方のIa型超新星を発見できることが分かりました。そのデータを宇宙論に応用すると同時に超新星の発生割合の測定を行い、Ia型超新星の起源に対する制限も与えています。また、SDSS-II 超新星サーベイにも参加し、多色で観測された約500個の光度曲線を取得し、宇宙論的な応用に加え、超新星のスペクトルの詳しい性質や超新星が発生した母銀河と超新星の性質との関係などについて調べています。
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