離職者

秋津 一之
役職
特任研究員 (from 2020/10/01 to 2021/03/31)
東京大学特別研究員 (from 2020/04/01 to 2020/09/30) [JSPS Fellow]
大学院学生 (from 2015/04/01 to 2020/03/31)
現在の所属
高エネルギー加速器研究機構
Researcher

URL
https://www2.kek.jp/theory-center/theory/member/14006/
PHOTO

Last Update 2024/05/10

私は、重力による非線形成長、原始揺らぎの非ガウス性、観測量に現れる非等方性など、宇宙論における「非-」とつく現象に興味をもって研究しています。

これまで私はSuper-sample effectと呼ばれる効果について、特にその非等方な影響に注目した研究を行ってきました。どんなに大規模な観測でも有限領域しか観測することはできないため、サーベイスケールを超える長波長ゆらぎを直接観測することはできません。しかし、重力相互作用による非線形モードカップリングを通じて、このような長波長ゆらぎ(super-sample modes)も観測される短波長ゆらぎに影響を与えています。特に、super-sample modesは銀河のクラスタリング統計量に非等方な痕跡を残すことを私は明らかにしました。この効果は観測データの共分散を増やす方向に働きますが、一方でこれ自体を新たなシグナルと見なすことができます。つまり、短波長ゆらぎの観測量に残されたsuper-sample modesの痕跡を読み解くことで、宇宙における最長波長ゆらぎを間接的に復元することができます。私はそのための手法を開発してきました。また、最近では原始ゆらぎに存在しうる非等方な非ガウス性が、観測される銀河の形に与える影響についての研究もはじめました。

私の研究の目標は、このような研究を組み合わせ、宇宙大規模構造や宇宙マイクロ波背景放射などの観測から、基礎物理や宇宙論についての新たな知見を得ることです。


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