米田 浩基
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私たちの周りにある元素は、宇宙でどのように生まれたのでしょうか。そして、その生成現場は、どのように観ることができるでしょうか。実は、宇宙の様々な高エネルギー現象で生成された原子核は、特定の高いエネルギーを持った光を放つことがあります。核ガンマ線と呼ばれるこれらの光を観測することで、宇宙のどこでどれだけ元素ができているのかを調べることができます。しかし、この核ガンマ線の観測は、観測技術がまだ発展途上であり、私は、その手法の開発も含めて、この核ガンマ線の宇宙観測に興味を持ってきました。
現在は、2027年にNASAから打ち上げ予定のMeVガンマ線望遠鏡 COSI を主なプロジェクトとして研究を進めています。これは、従来よりも一桁高い核ガンマ線感度を実現するもので、わたしたちの銀河からの重元素(アルミニウムや鉄など)や陽電子(電子の反物質)の分布を詳細に測定することで、物質の起源に迫ることができます。また、IPMUのメンバーとは、暗黒物質からのガンマ線を探索するための議論も重ねています。COSIだけでなく、さらに高い感度を実現するための技術開発にも取り組んでいます。
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