離職者

谷村 英樹
役職
特任研究員 (from 2022/10/01 to 2024/03/31)
現在の所属
北海道大学
Research Administrator

URL
https://u4u.oeic.hokudai.ac.jp/en/member/%e8%b0%b7%e6%9d%91-%e8%8b%b1%e6%a8%b9/
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Last Update 2024/04/22

宇宙論の魅力とは、我々の宇宙を通じて基礎物理学を学ぶということです。 暗黒物質と暗黒エネルギーの存在は、素粒子物理学の標準モデルの枠を超えていますが、今後の宇宙観測を通じて、その正体は明らかになっていくでしょう。

物資の単純なガウス初期分布から、壮大な宇宙ウェブ構造への大規模構造の進化は、私たちに多くの謎をもたらしています。大規模スケールでは進化は線形で、比較的単純ですが、小規模スケールでは構造は非線形になり、バリオン物理学が重要になり始めます。この大規模構造を調査する上で重要な宇宙構造の 1つに銀河団があります。銀河団は、宇宙で最も大質量の束縛システムであり、重力に支配された宇宙の物質の進化を大まかに示しています。バリオン物理学は、銀河団より小規模スケールにおいて重要な役割を果たすことが知られていますが、これらの小規模スケールでのバリオンガスの調査は困難です。このバリオンガスを調査する上での重要な観測手段として、Sunyaev-Zel'dovich (SZ) 効果があります。SZ効果とは、視線に沿った自由電子による CMB 光子の逆コンプトン散乱のことです。 SZ 効果の重要な特徴は、その強度が散乱ガスの赤方偏移とは無関係であり、現宇宙から初期宇宙までのバリオンガスの進化を調査可能なことです。私の主研究は、このSZ 効果を通じて、大規模構造のバリオンガスの特性、また、その進化を研究することです。


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