あの山の向こうにはどんな景色が広がっているのだろう？あの地平線の先にはどんな世界があるのだろう？そんな人々の冒険心と好奇心が、古来より私たちを宇宙の観測へと駆り立ててきました。自分もその長い歴史の流れの中を漂泊しながら、新天地を目指す一人です。これまでカリフォルニア大学にて最先端の観測機器を駆使して、この宇宙を形つくっているパラメータを測定する研究を進めてきました。宇宙創成１秒後の光と物質の割合を精確に測定する研究、ハッブル宇宙望遠鏡を使い遠方の超新星を観測し、その距離を精確に求め、暗黒エネルギーの存在を99.999%の確度で観測的に証明し、138億年の宇宙の歴史の中で、70億年前に減速膨脹から加速膨張に転ずることを確かめる研究等を行いました。Kavli IPMUでは、世界中の望遠鏡やすばる望遠鏡の新しい装置を使って、みなさんと一緒に私たちがまだまだ知らない世界を探検し、前人未踏の深宇宙や暗黒エネルギーの謎に取り組みたいと思います。世界中の天才達が、心を合わせ宇宙の謎に真摯に取り組む姿に憧れと人類の未来を感じます。次世代の望遠鏡が宇宙生命を発見し、世界の歴史を変えていく日が必ずやってくると信じています。