前田 啓一
|
Last Update 2023/07/10
超新星は現在の宇宙における最も激しい爆発現象の一つです。私は、観測・理論双方向からの研究により、①爆発時の極限的な状況下での物理の解明、②宇宙論研究・宇宙の進化の研究に適用する際の標準光源としての性質の評価、を研究テーマとしています。
現在までは、重い星を起源とする重力崩壊型超新星爆発における元素合成の研究、実際に爆発した星がどのように見えるかをシミュレートするための放射機構の研究、すばる望遠鏡での観測研究を行ってきました。これにより、観測結果を用いて爆発の状況を理解することができます。①重力崩壊型超新星爆発においては球対称を破るような物理過程が重要であること、②その効果は爆発エネルギーが大きくガンマ線バーストを引き起こすような超新星においてより大きいこと、などを明らかにしました。
現在は、Ia型超新星と呼ばれる白色矮星を起源とする超新星爆発の研究を主に行っています。大規模数値計算をもとにした元素合成と放射機構の理論研究とすばる望遠鏡等による観測研究の両面から、Ia型超新星の正体を解明し、標準光源としての適用範囲を拡大し精度を上げる手法を開発することを目指しています。
Back to Member List.