私は、ニュートリノ-原子核反応の研究をテーマの一つとしています。ニュートリノ-原子核反応の確率は非常に小さく、未だその理解は十分とは言えません。現在では、ニュートリノ振動パラメータ測定や質量階層性の決定ならびにCP対称性の破れの確認などを実験するにあたり、ニュートリノ-原子核反応からの不定性が最も大きな系統誤差の原因の一つとなっています。このため、海外の実験グループや理論研究者と共同して、ニュートリノ-原子核反応の実験データを理解し、さらにはニュートリノ-原子核反応のシミュレーションプログラム NEUTの開発を行っています。NEUT は スーパーカミオカンデ や T2K 等の実験で使われてきましたが、現在は海外の他の実験グループにもソフトウェアを提供、評価してもらい、精度の向上に役立てています。これ以外に、ニュートリノ実験に用いるエレクトロニクスやデータ収集システムの開発も行っています。現在は、特にハイパーカミオ カンデ用のシステム開発グループを率いています。